竿燈まつりについて
竿燈まつりは、真夏の病魔や邪気を払う、ねぶり流し行事として宝暦年間にはその原型となるものが出来ていたという。
現在残っているもっとも古い文献は、寛政元年(1789)津村淙庵の紀行文「雪の降る道」で、陰暦の7月6日に行われたねぶりながしが紹介されている。このときにはすでに秋田独自の風俗として伝えられており、長い竿を十文字に構え、それに灯火を数多く付けて、太鼓を打ちながら町を練り歩き、その灯火は二丁、三丁にも及ぶ、といった竿燈の原型が記されている。
元々、藩政以前から秋田市周辺に伝えられているねぶり流しは、笹竹や合歓木に願い事を書いた短冊を飾り町を練り歩き、最後に川に流すものであった。それが、宝暦年間の蝋燭の普及、お盆に門前に掲げた高灯籠などが組み合わされて独自の行事に発展したものと言われている。
長さ(m) | 重さ(kg) | 提灯の 大きさ (cm) | 提灯の数 | |
---|---|---|---|---|
大若 | 12 | 50 | 64×45 | 46 |
中若 | 9 | 30 | 48×36 | 46 |
小若 | 7 | 15 | 48×36 | 24 |
幼若 | 5 | 5 | 30×21 | 24 |
竿燈妙技
流し
次の差し手が継竹を継ぎやすいように支える技。二人で竿燈を起こし、利き腕で差し上げたら、次の差し手が継竹を足す。高く差し上げいったん手のひらに静止し、親指と人差し指の間から15 センチほどずらして支える。
平手
高々とかざし上げて見せる、力強く豪快な基本技。二本目の継竹を足してから、手のひらに高くかざして静止させる。添え手を開いて、利き腕とのバランスを取る。
額
竿を額で支える、首の根っこが据わった重量感あふれる技。利き腕の手のひらに受け、指の間から静かにずらしながら額に乗せる。額に静止させ、両手を大きく開き、足腰をグッと踏ん張る。
肩
差しやすく、最も早く覚える技。利き腕の手のひらに受け静止させてから、利き腕を曲げないでまっすぐ肩に降ろす。利き腕を高く伸ばし、添え手を低くして、軸足と竿燈を一直線にするのが美しいとされる。
腰
かなりの修練が必要な派手な技。利き腕の手のひらに受け持ち上げて静止させてから、指の間からずらして腰に乗せる。上体を程よく横に傾け、両足を程よく開いてバランスを取る。熟練の差し手は扇子で仰ぎながら差すなど、かなり盛り上がる竿燈のクライマックス。
竿燈囃子
竿燈の囃子は町中を練り歩く時に奏でる「流し囃子」と演技中の「本囃子」の2種類。五臓六腑に響く勇壮な太鼓と空に抜けるのびやかな笛の音。竿燈囃子がまつりの訪れを告げる。